残渣式流動化処理土Residual fluidized soil
残渣式流動化処理土「信州Fソイル」
(商標登録:第6597553号)
長野県で初の流動化処理土プラント
建設工事で一度掘り返した土を、もう一度埋めることを埋め戻しといいます。
埋め戻しは、埋め戻し後の沈下や陥没などを防ぐため、30㎝埋め戻すごとに締固めを行う必要が有ります。
一般的には、現場発生土を使用して埋め戻しを行いますが、機械による締固めが困難な場所、立坑などは、埋め戻し作業に多くの労力が必要になります。
流動化処理土は、スラリー状で締固め不要の埋め戻し材であるため、狭隘部にもポンプ圧送により充填することができ、締固め作業からも解放されます。また、流動性が大きく不透水性という特徴から、廃止管の充填や、路面下空洞、地下構造物、水中構造物の埋め戻しなど、非常に幅広い用途に適用可能です。
およそ打設翌日には、人が歩ける程度に固化し、一般の土と同じように、再掘削が可能です。
充填するだけで、均一な品質の埋め戻しができる流動化処理土は、通常の埋め戻し作業に比較し、作業の省力化、騒音、振動などの公害リスクの低減など、作業者にも、工事周辺地域に暮らす方にもやさしい埋め戻し工法です。
残渣式流動化処理土「信州Fソイル」の製造開始について
流動化処理土は、平成5年に立ち上げられた旧建設省総合技術開発プロジェクト「建設副産物の発生抑制・再利用技術の開発」の一環として技術開発が始まりました。その活動は、流動化処理工法研究機構により引き継がれ、工学的特性や施工技術の知見など技術基盤の充実が図られてきました。
今日では、その特性を活かして多種多様な建設現場で利用されております。
これまで長野県は、流動化処理土の供給体制が整っておらず、他県から長距離輸送により納入されておりました。輸送コストがネックになり、長野県内では非常に限られた条件でしか使用されておりませんでした。
長野県内での流動化処理土の供給に向け、当社では、2020年より流動化処理土の試験練り等を行ってまいりました。そうした中、ご縁が有り流動化処理工法研究機構正会員の中村建設株式会社様に技術指導を頂き、残渣式流動化処理土の製造に関する受委託契約を結び、このたび残渣式流動化処理土の製造販売を開始する事となりました。
転圧せずに均一な品質の埋戻しができる流動化処理土は、労働力不足や生産性向上が、大きな課題とされる建設現場において、これらの課題解決の一助となるのではないかと考えております。
私共の製造する残渣式流動化処理土が、安心安全な埋戻し材料として、建設工事に従事される皆様、地域に暮らす皆様のお役に立てれば幸いです。
砕石工場排出残渣の再資源化と
信頼性の高い残渣式流動化処理土を目指して
中村建設(株)は、平成5年建設省総合技術開発プロジェクト「建設副産物の発生抑制・再生利用技術の開発」の一環である、流動化処理土の利用技術に関する建設省土木研究所との協同研究に参加し、確かな品質の流動化処理土を提供するため、その設計・製造・施工法の研究をおこなってきました。
残渣式流動化処理工法とは
建設発生土を原料とした流動化処理土は、その原料の性状に品質が左右されるとともに、大掛かりな製造設備が必要となります。
砕石工場より細骨材製造工程より排出される残渣を主材とした“流動化処理土’’では原料の性状が安定しているため製品性能のバラツキが少なく、しかも節易な設備で出荷が可能となります。
砕石工場残渣の利用状況(重量配合実施例)
- 表は流動化処理土の一軸圧縮強さとの強度換算を示したものであり、出荷する標準配合品は0.2~0.6N/m㎡(σ28) となる。
- LSS浜松プラントにおける「一軸圧縮強さqu とCBR値の相関関係試験データ」より求めたCBR値
- 一軸圧縮強さより換算した粘性土の推定粘着力(qu/2、地盤工学会編:土質調査法より)
- 一軸圧縮強さより換算した粘性土の推定N値(quX8、地盤工学会編:土質調査法、シルト質枯土より)
※注意:これらの試験結果は浜松地区の建設発生土を資料とした流動化処理土による試験結果又は一般的な等値換算式より求めた目安であり、土質性状や改良方法が異なる場合はこの限りではない。
残渣式流動化処理土の適用例 施工事例
締固め不要の材料です。
充填性が良く遮水性の高い沈下しにくい材料です。
残渣式流動化処理土は、 高い流動性とセルフレベリング性能を発揮し、複雑・狭溢な埋戻し箇所への充填を可能にし、難透水性(10―6~10―8cm/sec程度)で、密度・材料分離抵抗性・流動性を制御すれば、充填性が完全で施工後の沈下・変状が少なく、埋設物の受け防護工法や路面の仮復旧を省略することができます。
確実に粘着力を付加できます。
従来の山砂等による埋戻しに比べ地下水位の高い細砂地盤での液状化の危険が低下し、格段に自立性が高まるため再掘削が容易で、地下水等の浸食による路面下等の空洞の発生の危険がなくなります。
高い遮水性
難透水性と高い充填性を活かし河川堤防敷における下水管路の埋戻し材としての採用例。(QP社会実験工事にて効果を確認)
地下遮水壁の構築
立坑用連続地中壁の施工前に地下水汚濁防止目的のため、LSS にて置換することで不透水層を構築した環境配慮型の採用例。(置換規模は¢2mXL45mX28 本)
防空塚充填
地山と強度、性状とも同化する充填材として防空壕に採用され、法面整形後に表れたLSS の断面。
掘削断面の縮小
掘削断面の縮小流動性と自硬性を活かし、締め固め工程の省略化による掘削幅縮小(埋戻し幅40cm 程度)で、民地への影響を最小限とした採用例。
狭陰部への埋戻し
沖縄県モノレール関連ボックスの埋戻しに採用され、工期の短縮短縮に寄与した例。
排水トンネルの廃止
充填隔壁を設けブロック毎の注入施工で充填精度を向上。(縦横2m 、延長100m)
長距離廃止管の空洞充
填高い流動性と材料分離抵抗特性を活かし、静岡空港施設内の全長1km以上におよぶの300~600mm程の地下排水管への充填採用例。
床下空洞充填
高い流動性と体積収縮が小さい特性を活かし、閉店後の短時間での店舗床下空洞を充填。
農業用水管の廃止
充填管路内を約350mポンプ圧送により180m の部分充填を行う。
排水路函渠の廃止
充填沼津市内の道路改良に伴う、旧排水路函渠を閉塞充填。(1.5mX1.5mX34.1 m と枝線1.0mX1.5mX28m)
鋼製矢板引抜後の隙間への充填
仮設土留銅矢板引抜直後に隙間充填を行い、地盤沈下を抑制した例。
水道管の廃止充填
廃止された水道管を端部から片押しでポンプ圧送により閉塞。(の200mm 、延長420m)
商標登録
残渣式流動化処理土(信州Fソイル)は商標登録を行っております。
納入実績
松本市 | 杭抜き埋戻し |
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長野市 | 杭抜き埋戻し |
小諸市 |
構造物狭隘部埋戻し 土間下地 住宅基礎埋戻し 陥没穴充填 基礎埋戻し 土間埋戻し |
東御市 | 専攻削孔置換 |
御代田町 | 水槽埋戻し、土間改修 |
軽井沢町 | 構造物狭隘部埋戻し 杭抜き埋戻し |